FAQ
スパーテクトの仕様や価格、検出後の対応方法などに関するよくあるご質問にお答えいたします。
放電検出ユニットの必要性
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なぜ火花放電の検出が必要なのですか?
トラッキングなどに起因する火花放電が要因の火災が毎年数千件程度発生しており、有効な対策が取られていません。
火花放電が生じている状態が長期化すると短絡などの大事故に繋がるおそれがあるため、初期段階での検出が必要になります。
仕様について
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検出対象となる火花放電はどのようなものですか?・トラッキング、短絡、地絡などの火花を伴う事象が検出対象となります。
※火花放電のレベルによってはブレーカが先に動作することがあります。
・電気の使いすぎ、接触不良による発熱や電化製品内の直流回路における火花放電は検出できません。
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スパーテクト1台で、どれぐらいの範囲の火花放電を検出することができますか?負荷、分岐のない単一回路でトラッキングが発生した場合において、下記が検出仕様となります。
※使用環境(負荷・回路数など)によって、検出感度が異なります。
【分電盤取付タイプ(単相3線・単相2線専用)】
■検出距離:最大70m
・4LDK(130平米)程度の戸建て住宅内全分岐回路
【分電盤取付タイプ(三相3線専用)】
■検出距離:最大5m
・動力分電盤や制御盤などの盤内
※使用環境(負荷や回路数、配線長など)によっては、盤外の火花放電を検出する可能性があります。
【コンセントタイプ】
■検出距離:最大30m
・上記戸建て住宅の1分岐回路 -
検出距離30mおよび70mとは、各分岐のケーブル合計の長さですか?合計ではなく、単一回路での距離です。
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検出距離5mとは、盤外も含まれますか?盤外は含まれません。検出範囲は盤内のみとなります。
※使用環境(負荷や回路数、配線長など)によっては、盤外の火花放電を検出する可能性があります。 -
コンセントを抜き差しした際に発生する火花で反応しますか?コンセント挿抜時に生じる短時間の火花には反応しません。
検出するには火花放電が一定時間継続する必要があります。
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検出できない箇所はありますか?【分電盤取付タイプ(単相3線・単相2線専用)、コンセントタイプ】
使用されている負荷により影響が出るものがあります。特にノイズフィルタ付電源タップでは検出しづらくなります。
【分電盤取付タイプ(三相3線専用)】
使用されている負荷により影響が出るものがあります。特にノイズフィルタが近くに設置されている場合は検出しづらくなります。
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主幹ブレーカがサーキットブレーカの場合、スパーテクトは使用できますか?使用できますが、ブレーカ遮断機能は利用できません。
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ブレーカ遮断を行う場合、ブレーカの指定はありますか?感度電流200mA以下の漏電ブレーカ(時延形には未対応)をご使用ください。
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スパーテクトからメールを送信することは可能ですか?スパーテクト本体にはメール送信機能はありません。
メール送信する場合は、スパーテクトが無電圧接点を出力するため、その接点を受けてメールを送信する接点監視装置などと連携いただく必要があります。
※接点監視装置や通信契約などは、お客様でお手続きください。
施工について
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取付けに必要な部品は同梱されていますか?付属されていません。
取付方法により必要となる部品が異なるため、下記を参考に手配してください。
<取付用部品>
※1 協約形取付台
品名記号:BP31-K
※2 分岐取付台
品名記号:BP31
※3 IECレール35mm幅(TH35-7.5)
品名記号:TB-DR
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電源はどこからとればいいですか?・電源用ブレーカ(日東工業㈱:PN32TA-NS)などをご用意いただき、分岐回路から電源を供給してください。
・主幹ブレーカの一次側からは配線しないでください。製品の検出仕様を満足しない可能性があります。
また、ブレーカ遮断機能も使用できなくなります。
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電源配線が1m以上になる場合はどうすれば良いですか?配線長が1m以上の場合でもご使用いただくことが可能です。
ただし、検出距離が短くなる可能性があるため、最短で配線を行ってください。
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取付方向の指定はありますか?【分電盤取付タイプ】
・取付方法の指定はありません。ただし、放電検出増設ユニットFPCD搭載の場合は方向指定があります。
【コンセントタイプ】
・取付方向の指定はありません。
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AC200Vで使用しても良いですか?単相2線式 AC100Vにてご使用ください。それ以外の電圧では使用できません。
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AC400Vで使用しても良いですか?三相3線式 デルタ結線 AC200Vにてご使用ください。それ以外の電圧では使用できません。
※電路の結線方式としては、スター・デルタ(Y-Δ)結線やデルタ・デルタ(Δ-Δ)結線といった、二次側がデルタ結線のみ対応可能です。 -
100Vコンセントであればどこに設置しても良いですか?・壁面コンセントに設置してください。
・天井面のコンセントおよび電源タップへ設置は行わないでください。製品落下による故障やけがの要因になったり、検出距離が短くなるおそれがあります。
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機器保護のためにSPDを使用したいのですが、推奨SPDはありますか?検出距離に影響がないことを確認済みの下記製品を推奨いたします。
型名:LH-13C(日東工業㈱製品)、LT-2T、LT-332、LT-332Z、LT-TS2312(音羽電機工業㈱製品)
設置環境について
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電波環境が劣悪な場所では誤動作のおそれがあるとのことですが、どのような場所のことですか?アマチュア無線・短波放送・防災無線・航空無線・海上無線などのアンテナの近傍、電波塔の近くなどでは正常にお使いいただけない場合があります。
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誤検出する電化製品や負荷機器はありますか?【分電盤取付タイプ(単相3線・単相2線専用、コンセントタイプ)】
・火花放電と類似する高周波ノイズを発する電化製品では、誤検出する可能性があります。
・誤検出する場合は、電化製品をノイズフィルタ付電源タップに付けてご使用ください。
※ノイズフィルタ付電源タップを使用することで電化製品からのノイズは軽減されますが、放電ノイズも減衰するため、その回路で発生した火花が検出しづらくなります。
【分電盤取付タイプ(三相3線専用)】
・火花放電と類似する高周波ノイズを発する負荷機器の一部では、誤検出する可能性があります。
・誤検出する場合は、負荷機器の直近にノイズフィルタの設置をお試しください。
※ノイズフィルタとスパーテクトの位置が近い場合は、放電ノイズも減衰するため、火花放電を検出しづらくなります。
検出後の対応について
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火花放電が発生していると考えられる場合は、どのような箇所を確認すれば良いですか?【分電盤取付タイプ(単相3線・単相2線専用)、コンセントタイプ】
・最初にコンセントや電源タップなどをご確認ください。異常箇所が見つからない場合は、次に冷蔵庫やテレビの裏側など普段隠れている箇所をご確認ください。
・プラグ接続部に埃の蓄積や焦げ、異臭、異音、ヒビ割れ欠け、水濡れの有無や、電源コードのねじれ、家具などの下敷きになっていないか、ドアなどで挟み込んでいないなどをご確認ください。
・トラッキングの初期段階で生じる火花放電を検出するため、火花放電の痕跡が残っていない場合があります。
火花放電が終息(LED:赤色点滅)している場合は、コンセントやプラグなどを清掃し、しばらく様子を見てください。
(注)確認作業は、放電検出時の対応マニュアルを参考に実施してください。
【分電盤取付タイプ(三相3線専用)】
・盤内の電路に埃の蓄積や焦げ、異臭、異音、汚れ、電源ケーブルのやぶれや亀裂などをご確認ください。
・トラッキングの初期段階で生じる火花放電を検出するため、火花放電の痕跡が残っていない場合があります。
火花放電が終息(LED:赤色点滅)している場合は、盤内を清掃し、しばらく様子を見てください。
(注)確認作業は、取扱説明書の11頁「■放電検出時の対応」を参考に実施してください。
その他
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交換推奨時期はありますか?ホーム分電盤の漏電遮断器と同様に13年を目途に交換いただくことを推奨しています。
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スライドカバーが開けられない。製品不良ですか?スライド式の開閉構造のため、自重で開放されない様にロック機構を設けております。
下図を参考にスライドカバーの開閉操作を行ってください。